相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月に起きた殺傷事件で、殺人などの罪に問われた元職員の植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判が8日、横浜地裁で始まる。被告は拘置施設で朝日新聞の取材に繰り返し応じ、幼いころから抱いていた障害者への差別意識が事件の1年前から先鋭化したと説明する。だが19人もの命を奪う動機としては不可解で、裁判では事件に至る背景の解明が焦点になる。
昨年12月、横浜市港南区の横浜拘置支所。事件を振り返って反省や後悔はないかという記者の問いに、植松被告は「障害者は不幸の源だ。事件についてはベストを尽くした」と語った。
受け答えは簡潔で、迷ったり考え込んだりすることは少ない。朝日新聞はこれまでに16回面会したが、障害者への不当な差別意識は変わっていない。
なぜ身勝手な考えを抱き、深めたのか、取材で繰り返し問うた。
小学生のころ。知的障害がある同級生を送り迎えする母親の様子がつらそうに見えた、という。
父親と同じように小学校教諭をめざした大学時代。アルバイトをした学童保育で、ほかの子どもに石を投げたり、鉛筆で刺したりする子がいた。「この子がいない方がみんな楽しいんじゃないかと思った」。ただ当時は「障害者を弱い者としていじめてはいけない」と考えていたという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル